一期一会のマリアージュ ー富山湾の魚介と長野の日本酒ー(前編)
Topics
皆さん、こんにちは。
当グランピングフィールドでお過ごしいただく時間のハイライトの1つは地元食材を存分に生かした6-7品のフルコースの1品ごとに長野ワインをセレクトさせていただき、そのマリアージュをご堪能いただく時間です。
今シーズンからは、県はお隣となりますが、富山湾の鮮魚を楽しんでいただいております。実は、北アルプスと富山湾は黒部川を通じて繋がっているのです。
そのあたりのエピソードはこちらの記事でご紹介いたしました。
https://fieldsuite-hakuba.com/blog/2022/04/29/001-39/
そして、今日は実際に、その富山湾で取れた鮮魚を、当グランピングフィールドの鈴木シェフと吉平ソムリエがどのようなマリアージュへ仕上げたのかご紹介したいと思います。
まず富山湾から上がる鮮魚の中から何の食材を選びどのように料理にしたのか。
鈴木シェフのコメントでご紹介します。
フィールドスイート白馬は、オープンして4年目を迎え、多くのお客様にリピーターとして何度もお越しいただけるようになりました。
そのようなお客様に、一期一会の食材との出会いを楽しんでいただこうと、常に地元の新しい食材探しをしています。
そして今シーズンから取り組んだのが、富山湾の鮮魚店の中野さんの鮮魚でした。
富山湾には、季節ごとに素晴らしい旬の食材があります。
初夏から秋にかけて旬なのが白えびです。白えびは富山湾でしか取れないので、ぜひそれを楽しんでいただこうと思いました。
中野さんは食材に対してこだわりがとても強く、いい状態のものが入らない時は販売しないという姿勢の方で、これまで仕入れていただいたものは、毎回クオリティの高いものばかり。
「富山湾には海底に深い渓谷があり、深層水が入り混じるところに豊富なプランクトンや小魚が生まれることから、天然の生簀と呼ばれている」とは聞いておりましたが、今シーズンはまさにその素晴らしさを実感しています。
そして完成した料理はこちら。
さて、次にこの料理とマリアージュするお酒はどのように選ばれたのか。
吉平ソムリエのコメントで紹介します。
長野県はとても実力のあるワイナリーがたくさん出てきていますが、日本酒蔵も約80蔵以上あり、日本で二番目に多い地域です。コースメニューの6-7皿のうち1皿には長野県の日本酒をマリアージュをお楽しみいただこうと、鈴木シェフと相談して決めました。
鈴木シェフの料理は、地元食材の素材を大事にしているため、オイルや調味料を必要最小限としています。日本酒はワインと比べて後味が続きます。よって、その次のマリアージュにもワインに影響を与えてしまう。
そのような考えから、コースの中のお口直しのタイミングの前に、日本酒をマリアージュさせるようにしています。そして今回の夏のメニューでは、そのタイミングが白えびのパスタでしたので、日本酒とマリアージュさせることにしました。
白えびの塩味には、辛味よりは甘味のある日本酒が合います。
その観点から今回選択したのが、長野県塩尻市の美寿々酒造の「照らす」です。「照らす」は、長野県産の酒造好適米「ひとごこち」を使っています。
そして、このお米は、私が現在住んでいる朝日村の「照らすファーム」という団体が丁寧に有機栽培して作っています。地元で作られた酒米のお酒なので、栽培している人も味もよくわかっていました。
「照らす」はメロンのような吟醸酒の香りがあり、さらに、食事と合わせると、飲んだあとに、米の甘みが戻って来ます。白えびのオイル炒めと白いご飯を食べている感じも楽しめる、と思いました。ワインの場合は、酸味がどうしてもあるのでこうにはなりませんので、このあたりが、日本酒とのマリアージュの醍醐味だと思っています。
また、「照らす」はラベルとネーミングも、FSHにぴったりだと思いました。翌日、みなさま、ご来光をみますよね。
「パスタと日本酒がこんなに合うとは思わなかった」と言う感想をお客様からお伺いして、とても嬉しく思っております。
1品ずつ、このようなマリアージュの想いを巡らせて作らせていただいているメニューがこちらです。
このメニューも9月20日で終了し、そのあとは秋のメニューに切り替わります。
秋のメニューのハイライトは後編でご紹介します。
お楽しみに。