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長野ワイン選びで大事にしているのは作り手のエネルギー

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皆さん、こんにちは。

FIELD SUITE HAKUBA(以下FSH)のスタッフの猪尾です。

当グランピングフィールドでお過ごしいただく時間のハイライトの1つは、長野ワインと長野食材のフルコースのマリアージュをお楽しみ頂くことです。

今日はFSHでお楽しみ頂く長野ワインについて、お食事中だけではなかなかお伝えできていないワイナリーのこと、そして、皆様にワインをお届けする上で大事にしていることをお話しいたします。

長野ワインのセレクトをしてくれているのは長野県朝日村在住の当社専属ソムリエの吉平翔さんです。

 

 

料理とマリアージュするワインをセレクトする鈴木シェフ(右)と吉平さんの会議風景

 

お二人がどのようにマリアージュを考えていくのかについては、以前こちらの記事でもご紹介をさせていただきましたが、今回はワインのパートを掘り下げます。

2人の食のプロが生み出す究極のマリアージュ

今回は吉平さんへのインタビュー形式でお送りします。

 

 

 

 

-- 前回の記事でもご紹介しましたが、吉平さんは元々は料理人なんですよね。

はい、滋賀県の料理旅館「比良山荘」にて板前を9年間、2007年から2016年まで行っていました。

 

-- 「比良山荘」は知る人ぞ知る、有名な日本料理のお店と聞いています。Webサイトもすごい素敵ですね。(こちら)どんな日本料理店だったのでしょうか。

私が働いていた当時は8部屋ほどの小さな料理旅館で、約2万円くらいの価格帯の日本料理をお出しするお店でした。琵琶湖の鮎のお料理や猪や熊肉の鍋料理などをよくお出ししていました。

 

-- 元々どうして料理人になることを目指したんですか?

私は伯方の塩で有名な愛媛県の伯方島というところで生まれて育ちました。両親は家業の造船業を営んでいましたので、私は祖父母との思い出が多いです。家からは海が見え、祖父が魚釣りが好きで連れて行ってもらったり、祖母が釣ってきた魚を料理するのを小さい頃から興味があり見ていました。祖母のメバルの煮付けとか、アジの叩きが思い出に残っていました。多分、その時のことが原体験にあったんだと思います。

 

-- なるほど。瀬戸内海の素敵な風景が思い浮かびますね。その後、2016年に長野県の朝日村で、吉平酒店という酒屋を開業されています。経緯をお教えください。

実は30歳になったら私の実家の愛媛か妻の実家の朝日村に戻ることを決めていたんです。私の実家は愛媛の伯方島というところで造船業を営んでいるので、愛媛に戻ると仕事は家業になることもあり朝日村に行くことにしました。

当初は朝日村で自分の日本料理店を開業しようと思っていたのですが、比良山荘時代にソムリエの資格も取っており、妻の実家にはワインの貯蔵に最適な土蔵があったこと、近隣の飲食店を回ったらお酒の種類が限られていることがわかり、まずはワイン専門の酒屋から始めることにしました。

 

-- こちらの土蔵ですよね。地中熱を活用することでワインの最適な管理ができるんですね。知らなかったです。古くからある土蔵と自然エネルギーを生かしてご夫婦で地元のワインを紹介する、とても素敵ですね。

 

 

土蔵の外観

 

土蔵の中の様子

 

地中熱空調システムは、匂いや温度ムラが無く、また風が無いため直接冷気・温気があたらないため乾燥することなく湿度も保て、ワインを保管するには理想的な環境を作れるそうです

 

写真の右側が吉平酒店の店主である吉平綾子さん、左側が吉平酒店のソムリエである吉平翔さん

 

-- 長野ワインについてはどのように感じていますか?

2016年に長野に来たときに一番印象的だったのは、地域の人たちが長野のワインを楽しんでいることでした。

長野県民から長野ワインは愛されているなと。

実際に松本市などで開催されている長野ワインのイベントなどでも地元の人が多いんです。 長野は南北に距離があって多様性もありますし、ワイナリーもすごく多い。

ですので近年は長野ワインを積極的に扱って県外にも広めていきたいと考えました。

 

-- 長野に近年高品質のワイナリーが増えたのは、2011年以降にワイン特区として複数の地域が認定され、「ブティックワイナリー」と呼ばれるような少量の生産量でもワインの醸造免許が取れるようになったことや、ワインの醸造家を育成する教育施設(東御市のアルカンヴィーニュや塩尻市のワイン大学など)ができたことなどが背景にあると聞いたことがあります。

そうなんです。

長野県には元々老舗大手ワインメーカーがあり、こちらも良いワインだと思うのですが、大手メーカーのワインは日本中で手に入り易いです。

一方で、小さいこだわりのあるワイナリーもたくさんあり、こちらはまだ手に入りにくく知られていない良いワインがたくさんあるので、FSHではそのようなワインだけをセレクトしています。

 

 

人が好きなんだなぁということが伝わってくる吉平さん

 

 

-- 酒屋として、ソムリエとして、ワインを紹介する上で大事にしていることは何ですか?

私は正直いうと、製品の品質もそうですが作っている人が面白い人かどうかを大事にしています。

私の仕事は作り手の人の代わりにそのワインの魅力をお伝えすることです。その魅力を伝える時に作り手のエネルギーを感じていただける仕事をしたいと思っています。

昨年からは難しくなっていますが、基本的には実際にお話をする中で「一緒に仕事したい!」と思えるワインを扱わせていただくようにしています。

 

-- それではいよいよそんな吉平さんがセレクトして今シーズンにFSHに来ていただいたお客様に楽しんでいただく予定のワインをご紹介お願いします。

FSHでは鈴木シェフと季節ごとに7品程度のコースメニューごとにセレクトするワインを変えていきます。

今シーズンのコースメニューとのセレクトは実はこれからやるので、今日は、定番的によく使わせて頂いている3つのワイナリーをご紹介させてください。

1つ目は、長野県の高山村にある「カンティーナ・リエゾー」です。

カンティーナ・リエゾーは湯本さんご家族が営んでおり、湯本さんのバックボーンであるイタリア系ブドウ品種を中心に、信州・高山村という長野県内でも注目度の高い冷涼なワイン産地で高山村の環境に寄り添ったワイン造りを行なっています。

 

 

 

カンティーナ・リエゾーの醸造所の前に広がる葡萄畑

 

 

-- カンティーナリエゾーのワインはFSHではお馴染みですね。

はい、こちらは、バルベーラ、ドルチェットなど、日本ではまだ珍しいイタリア系品種であることや敢えて温度管理をしない高山村の環境下での醸造(保管時は空調を使って管理)されているところが特徴的だなと思っています。

湯本さんは職人タイプの造り手さんで寡黙なタイプの方なんですが、仲良くなると結構話してくださいます。

ラベルに登場する3人の男の子は湯本さんの息子さんたちなんです。

ワイン造りに関してはフレキシブルでありながら確固たる考え方を持っているのでヴィンテージに左右されない品質のワインを造られています。

2019年10月訪問時、吉平ソムリエ(一番右)・鈴木シェフ(右から2番目)と湯本夫妻

 

醸造所でこだわりを説明してくださる湯本さん

 

 

-- 今シーズンに提供予定のワインとして何になりますでしょうか。

「バルベーラ・イ・トレ・フラテッリ 2018」がいいのではないかなと思っています。

 

 

「バルベーラ・イ・トレ・フラテッリ 2018」

 

カンティーナ・リエゾーのラインナップでトップシリーズであり、2015年以降3年ぶりのリリースの銘柄です。

バルベーラというイタリア系ブドウ品種で造られていますが、イタリアワインのそれとは違い高山村の涼しさを感じらるハーバルな清涼感のあるニュアンスがあります。

またリリース直後から落ち着いた雰囲気があり、ドライローズの香りや柔らかい酸などエレガンスが感じられます。

 

-- どんな料理に合わせようと思っているのですか?

鶏肉や鴨などの鳥類、清涼感のあるハーブや食材を使った料理だと相性がいいんです。

FSHではこれまでも鮎のコンフィと合わせており、鮎の淡白な味わいとキュウリ・アンデスメロンを使った爽やかなソースを、ワインの持つエレガントな味わいと清涼感のあるニュアンスと合わせてお楽しみいただけます。

他にもこのワインは、ハーバルなニュアンスを強調したい場合はボウルの部分の大きいブルゴーニュグラス、ベリーの果実味を強調させてい場合は寸胴な形状のボルドーグラスを使い分けることによって様々な角度でお楽しみいただけます。

 

-- 1つめのワインの紹介ですでに飲みたくなってしまいました。では、次のワイナリーのご紹介をお願いします。

次は長野県の青木村にある「ファンキーシャトー」です。

 

-- こちらのワイナリーもよく使わせていただいていますね。

はい、ファンキーシャトーは音楽プロデューサーの金橋さんご夫婦が首都圏から移住されて、松本市と上田市の間に位置する青木村という所で始めたワイナリーで、極力人的な要因を加えないその土地、そのブドウ品種を尊重したワイン造りを行なっています。

 

-- なるほど

金橋さん夫妻のこだわりは、自然発酵・無濾過・酸化防止剤無添加を実現するための徹底した畑作業にあります。

コンクールなどには出展はされていないのですが、ワインラヴァーを虜にする品質の高さがあります。

また、ネット販売も禁止してほぼ手売りに近い販売方法で、気に入って下さったお客様に楽しんで欲しいという誠実さも私は素敵だなと思っています。

 

-- そうすると限られた場所でしか飲めないので貴重なワインですね。今シーズンに提供予定の銘柄は何ですか?

「ストラトゥ・キャッセ 2018」です。

 

「ストラトゥ・キャッセ 2018」

 

日本では珍しいセミヨンというボルドー地方のブドウ品種を使い、ソーヴィニョン・ブランを少しブレンドした白ワインです。

ナチュラルな造りによる、ストレスフリーの液体がスーと入ってくるシームレスなワインであり、口の中で瑞々しい果実味、余韻の仄かな苦味のアクセントなどが魅力的です。

 

-- どんな料理に合わせる予定でしょうか。

生魚と合わせても生臭みが出ないので、魚料理と相性が良いワインです。

これまでもFSHでは信州サーモンと大王イワナのタルタルと合わせており、瞬間スモークによる微かな薫香(苦味)やリンゴを使った甘酸っぱいソースとも良く合いご好評いただいております。

 

-- あー、美味しそうです。では最後の3つ目のワイナリーの紹介お願いします。

 

長野県の安曇野市明科の「ル・ミリュウ」です。

 「ル・ミリュウ」は、若手同い年コンビ2人で造っています。斎藤さんはソムリエとしてワインと向き合い、塩瀬さんは醸造家としてワインと向き合ってきた、それぞれプロが共に始めたこれからが楽しみなワイナリーです。

 

-- 私も2019年にFSHで「ル・ミリュウ」のワインは頂きました!その時はメルローのロゼで松葉ガニのパスタのマリアージュでした。

 

2019年12月のFSHのグランピングディナーでの「ル・ミリュウ」のメルローロゼ2019と松葉ガニパスタとのマリアージュ

 

はい、こちらは様々なブドウ品種・醸造方法でラインナップが豊富なんです。

イベント出店も積極的にされているので、身近に会うこともできるワインメーカーさんです。

長野県内の他のワイナリーでは比較的年配の方が多いのですが、こちらは30代前半で起業されてその若さによるアグレッシブなワイン造りや積極的なプロモーションなどが私は素敵だなと思っています。

 

-- 多様性があるのはいいことですね。それでは銘柄の紹介もお願いします。

はい、今シーズンは「ポラリス・リースリング 2019」を予定しています。

 

「ポラリス・リースリング 2019」

若木から造られたフレッシュ感を感じられる白ワインです。

少し粘度のある存在感のある果実味に親しみ易い甘味のあるオフドライの味わいがあり、ワイン初心者の方にも気に入っていただける仕上がりです。

 

-- 合わせる予定の料理は何ですか。

ベーコンやチーズなど塩気のある食材を使ったシンプルな料理に相性がいいので、これまでもFSHではゴルゴンゾーラチーズを使ったリースサラダと合わせています。

チーズの持つ塩味・クリーミーな風味がフレッシュで少し甘味のあるオフドライなワインの味わいと相性が良いと思います。

このワインに関しては2019年が終売となっておりますので、今シーズンでは2020年のものになります。

こちらはワイン単体でも楽しめる銘柄ですので、食事前や食事の後のカモシカラウンジでの時間でもお楽しみ頂きたいと思っています。

 

-- ありがとうございました。今回、ご紹介いただいたワイナリーさんは現地へお伺いしたら、ワインを購入できたりするんでしょうか?

 

みなさん、本当に少人数でご家族などでやられていて、普段はぶどう栽培の農作業もされていることが多いので、見学やワインの直販などはやってらっしゃらないんですよね。

「ル・ミリュウ」さんだけは、不定期ですが土日にたまにワイナリー内の販売カウンターで販売されていることはあるので、お問い合わせしてから訪問されるといいと思います。

 

-- なるほど、そうですよね。吉平酒店にお伺いすれば、この3つのワイナリーのほか、小規模で作り手のエネルギーが詰まったワイナリーの長野ワインは購入できるのでしょうか。

はい、現在だと、長野ワインについてはだいたい10ワイナリーくらいは揃っています。

 

-- いいですね。ちなみに、FSHから吉平酒店までは車だとどれくらいですか?あと、道中おすすめのところありますでしょうか。

そうですね、だいたい2時間くらいかと思いますが、車であれば楽しめるコースがありますよ。

白馬村から安曇野市までの約50キロくらいの道のりを安曇野アートラインと呼ばれていて、美術館や博物館、国営公園などがたくさんあるんですよ。

そうした博物館に立ち寄り目指してもらいたいのは、ファインビュー室山という露天風呂からの景色が最高の温泉です。

ファインビュー室山の露天風呂(Webサイトから引用)

 

 

ファンビュー室山から吉平酒店までは50分くらいでしょうか。

 

-- こちらの露天風呂も最高ですね!安曇野アートラインは私も車で走ったことありますが、道から見える景色も抜け感があって最高ですよね。大好きです。あと、吉平酒店のそばにおすすめのご飯食べるところはあったりしますか?

ありますよね、おすすめは、「ふじもり」というお蕎麦屋さんです。

こちらは、元々は安曇野にあったお蕎麦屋さんが朝日村に移転されてきたんですが美味しいです。当時からのファンの方もついていて人気店です。

その後、東京に帰られるのであれば、当店からだと塩尻インターが近いと思います。

 

-- FSHの帰りに、安曇野の景色をみながら、美術館寄って、露天風呂入って、長野ワイン買って、おそば食べて、東京に戻るコースですね。素敵ですね。

あと、FSHにいくまで待てないという方には、今回ご紹介したワインのうち、カンティーナ・リエゾーのワインは吉平酒店のWebサイトからでも購入できますので、FSHへの訪問まで待ちきれないという方はぜひこちらをご覧ください。

 

-- 最後に、吉平さんはいよいよご自身の飲食店もオープンされるんですよね

はい、やはり酒屋やソムリエとして提案したワインをお客さんがどんな風に楽しんでいるのかその姿を間近で見たい、という気持ちが大きくなりまして。

今の吉平酒店のそばで、完全予約制・和食コース料理で8席の小さいお店をまずは2021年7月にプレオープンして、来年から本格開業の予定です。

最初は酒屋の業務もやりながら、1人でやり始めるので、少しずつお客さんに広まってもらえたらと思っています。

 

-- そちらも落ち着いたらお伺いするのが楽しみです。今日はありがとうございました。

 

今回、ご紹介したワイナリーやお店の位置関係はこちらになります。

上の地図をクリックして頂くとグーグルマップが開きます。

 

地図の一番右側から時計回りに以下となります。

改めてリンクも貼っておきますので、ぜひ、ご覧になってみてください。

カンティーナ・リエゾー(ワイナリー、高山村)

ファンキー・シャトー(ワイナリー、青木村)

ふじもり(蕎麦屋、朝日村)

吉平酒店(酒屋、朝日村)

ファインビュー室山(日帰り露天温泉、安曇野市)

ル・ミリュウ(ワイナリー、安曇野市)

FIELD SUITE KITAONE KOGEN HAKUBA(白馬村)

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